蔵巡り7日目。鰹節の記録と子どもたちに伝えたいこと。

蔵巡りと郷土食に触れる旅7日目。

学びの旅に出かけるときは、私たちは、いつもゲストハウスやなるべくローカルな小さな(地域の集い場のような)ホテルを巡っています。

蔵巡りをしているのだとお話しすると、オーナーさん手作りのお味噌を分けてくださいました。

辛めの米味噌を作られているとのこと。

今はないけれど少し前までは「そてつ味噌」も作られていたそうです。

処理をするのが大変だとか。

お味噌の文化って本当に深いですね。

ちなみに、お味噌を作るのに欠かせない麹菌は日本にしかいません。

とはいっても、天然の麹菌で育てているお味噌屋さんもいらっしゃいますから、同じ日本とはいえ、それによって味もだいぶ違ってくるのでしょうね。

寄り道を沢山できる様にスケジュールを詰めすぎず。

そんな風に気をつけています。

なので、オーナーさんがたから、「このあと、〇〇しようと思うんだけどどう?」って誘われたときは、ご一緒するようにしていますよ。

その土地の暮らしに触れることも学びです。

お味噌のお話をした後は、そばで台湾市場をやってるから行こう、と誘っていただいて、ふらりと遊びに行きます。

観光はあまりしない私たちですが、そうして空いた時間で地元の方との関わりを楽しませてもらっています。

次に来た時に、会いたい人、場所があったら素敵だなあと思うのです。ですので、一緒にいる時間も大切に。

そこで図らずも知った面白いこと。

沖縄から台湾までは1時間ほどの距離だそうですねー。

台湾の発酵文化も豊かだと聞きます。

乾燥地帯ヨーロッパ方面と比べ、菌が生き抜くのにちょうどいい湿度に恵まれたアジア圏は、発酵文化がとてもとても豊かだそうです。

日本だけでなく、台湾、タイ、中国、韓国。。

私が知っているだけでも、発酵色豊かな国がこんなにあります。

なので、台湾もぜひ、おとづれてみたいところ。(個人的なお話、ごめんなさい。笑。)

ちょっと寄り道した時間で台湾料理も少し。

なつめのちまき。

なつめを入れたもち米を笹の葉で包んで蒸したもの。

娘と半分こで、わってみました。シンプルに味のついていないもち米になつめが入ったもの。

お家でも作れそうなので写真も載せておきますね。

小さなお子さんのおやつにもどうぞ。

こちらをいただきながら、台湾の踊りを見てきました。

沖縄はパスポートを持たずにいろんな文化に触れられて、面白い場所だと改めて思います。

鰹節屋さんへ

沖縄そばにも、煮物にも、汁物に。豊かに鰹節の香る沖縄の食文化。

前回おとづれたお蕎麦屋さんでいただいた沖縄そば。

お肉に出汁もはいっているはずなのに、とっても澄んだ汁。

そこから魔法の様に鰹節の香りが漂ってるのが本当に印象的で、娘と鰹節屋さんへ行ってみようという話になっていたのです。

オーナーさんに教えてもらい、のうれん市場のそばにある鰹節屋さんへいきました。

扉を開けると鰹節のいい香り。

お出汁が好きな娘も興味津々。

オーナーさんがお店の奥で鰹節の周りについたタールを取っていました。

この黒い部分を取ってから削っていくという作業に入るそうです。

結構な手間がかかるんだね、と娘と作業を覗かせてもらいます。

沖縄ごはんは乾物をたくさんつかいます。

鰹節屋さんは乾物屋さん。

昆布、くるまふ、鰹節、煮干し、しいたけ。。。所狭しと並んでいます。

昆布一つをとっても、大きなものからイリチー(炒め物)にするような刻んだものまでいろいろ。

こちらで購入したイリチー昆布は一年ほど寝かせてしっとりとさせたそう。

(切り昆布はこんなふうにお料理をします。)

さてさて鰹節のこと。

鰹節には枯れぶしと荒節があり、枯れ節は菌をつけて熟成させた発酵食品に入るもの、荒節は菌をつけていないものです。

最近は枯れぶしも出回る様になったそうですが、沖縄で使われてきたのは荒節の方だそうです。

雄節は背側の脂身の少ない方、雌節は腹側の脂身の少し多めの方。

削りたての削り節を一袋購入しました。

工場見学とは行かないまでも、こうして、小さな専門のお店に足を運ぶことで、沢山学べることがありました。

香りを嗅ぎながら、携わる方にじっくりお話を聞く。そこから想像力も働かせながら学ばせてもらいましたよ。

そのままお昼ご飯はお出汁の使い方を学びに(笑)。

いなむどうるち汁定食。

いなむどうるち汁は、白味噌に煮た甘めのお味噌に椎茸や野菜が沢山入ったもの。

そして、かんぴょうのイリチー、タロイモ焼き、ジーマミー豆腐など。。

沖縄の特徴なのか、雑穀ご飯にもよく出逢うので、スーパーをリサーチしてみたら、小さなスーパーにも雑穀がよく並んでいるので雑穀ご飯も県民食なのでしょうね。

豚肉文化と言われるだけあって、豚肉もよく使っていますが、私たちが出かけた食堂さんのほとんどは、お出汁もしっかり摂られていて、お肉がメインという感じでもなく、こうしてバランスをとっていたんですね。

遊びは学びであり、暮らしであり、仕事である。

さて、旅に出てからのことを記録してきました。

子どもの動き以外のこともこうして記録していますが、その理由についても少しお話ししておこうと思います。

私がタイの山岳地帯に行って、ハッとしたことなのですが、大人である私も、「知らないことだらけの中をいきてるんだ〜。」ってびっくりした経験があるからなのです。

私は今でも、知っていることより、知らないことの方が多いなって感じます。

7年前に、日本をはなれてみて痛感したこの気持ちが今でも離れません。

山岳地帯での暮らしは、全てが手作りで、自分が身体を動かさないと何も始まらないのです。

でも、到着したすぐの私は、どう動けばいいのか、わかりませんでした。暮らしを一から作ったことがなかったから。

そこで数ヶ月を過ごしましたが、その数か月をへて、家を作るということ、食べ物を得るということ、を少しずつ理解した気がします。

そうして思ったのが、自分は「生かされているんだ」っていう感覚。

生きる術だってしらないことだらけなのに、生きてきた自分。

生かしてもらってるなんて考えたこともなかったので、自分から湧いてきたこの感覚にもびっくりしたんです。

 

日本にいる頃は、勉強は成績がつくのでどこまで解ってるか知っていたつもりだったけれども、他のことについては、

「知っているのか、しらないのかも考えたことがなかった。」

んです。

自分がどうやって生かされてるのか、そして大事にされてるのか、それらを立ち止まって考えたり、じっくり感じようとしたことがなかったんですよね。

それに気づいた時に、私は、自分が、

「知っていることよりも知らないことの方が遥かに多い。」

ことを体感したんです。。

それからは、子どもとの接し方が変わりました。

教えるのではなく、一緒に学んで行く。

毎日、一つずつがその積み重ねだと今でも感じています。

だから、娘の学びだけでなく、私の学びもここに記録しています。

現代の優れた流通の中で、私が見ることはできない工程を経過し、やって来てくれる沢山の物たち。

例えば、この削り節の袋一つをとっても、スーパーで買っていたら、削り節だってことしか私には見えていなかったと思うのです。

 

それがこうして、何十年も鰹節を削り続けているおじちゃんから話を伺う事で興味を持ち、自分でも調べて、海を泳いでいる鰹がどうやってここまできたかを垣間見ることができたんです。

そこを娘と一緒に学んでいきたいと思う。

おじちゃんの削ってくれた物だっていうだけで、とても愛おしいものに変わります。

そしてそれは自分が幸せなだけではなく、これを削ってくれたおじちゃんの幸せを願ったり、この鰹を釣ってくれた顔を知らない漁師さんへの感謝が湧いてきたり、温かな思いを生み出していくと思うんですね。

遊びは学びであり、暮らしであり、仕事である、と思うんです。

娘の心の動き、私の心の動きを一緒に綴っています。

それは、きっと、小さくとも、わたしたちだけではなく、誰かの学びのヒントにもなっていくと思っています。

ですので、こうして書き続けますね。

私の考える食育。

蔵巡りの記録をする理由がもう一つあります。

話はちょこっとそれますが、自分で畑をしたり、旦那さんが農家さんのお手伝いを続ける中で、見えてきたことがあります。

目の前にある食材はどんな風に作られているのか、お店の棚に並ぶまでに、どんな人がどんな思いで加工して運んできてくれたのか。。(それがお肉であった場合には、その動物の思いも、今の暮らしで野生動物と共に暮らしてきた分(同じ山に住んでるという意味で)、想像してしまうのです。)

生産者さんに会って、さつまいも掘りをするだけでは見えなかった部分が見えてきて、「感謝をしよう」ではなく、感謝があふれてくるようになりました。

これが自分の手元に届くまでの大変さが、自分の畑づくりのつまづきとリンクして、今までよりずっと見えてくる様になって、野菜が虫にも負けずに大きくなって食べれる姿になることに感動したんです。

一年に一度しか、トライすることのできない野菜を育てるという経験を、何年も何十年も積み重ねて、ちゃんと育てて出荷してくださってることは本当に凄いことで、農家さんの人生なんだ、って思うんですよね。

育ててくれてありがとう。

私たちが今食べるものに困らないのは農家さんのおかげだから、野菜そのものだけではなく、育ててくれた人にも幸せになってほしいと願う気持ちにつながっていく。

そしてそれをきっかけに、全ての物事の背景を想像する力をつけ、寄り添う優しさや、ありがとうという敬意を持ちながら、自分の人生を営んで行く。。

きっとそこまで繋がったいくことが「食育」なんじゃないかな?とおもうんです。

一人一人の人が、生かしてもらってる命を大切に生き切る。

 

この蔵巡りの記録をとおし、ご自分の食べているものがどうやって繋がれてきたかが伝わったらいいなと願っています。

きっと、ご先祖様が未来がより良くある様、積み重ねてきた食文化です。

私も、そんなご先祖様たちが繋いでくれたように、未来を生きる宝である子どもたちに一番伝えたいのは、

「生かされてここまできた、そんな貴方の生を大事にしていってほしい」

ということ。

そのために文章を書いています。

最後に😆

厚めの鰹節をカップに入れて熱々のお湯で味噌をといて「カチュー湯」の出来上がり。

これも沖縄の伝統です。我が家も大好きで、ときおり、こうして手軽にお味噌汁をいただいています。

よかったらお試しくださいな。

今日も読んでくださってありがとうございます😌

 

 

旅するフリースクール 無料メルマガ