八丁味噌の老舗 まるや八丁味噌味噌さんへ。

旅の2日目。

今日は岡崎市にある「まるや八丁味噌」さんへ。

電車の中から見えた風景にまずは驚きます。

(車内からの景色だったため、写真が撮れずごめんなさい。)」

味噌を仕込むための大きな、おおきな樽が九つほど、横になって転がっています。

その間には、味噌を仕込むために使われたであろう石も積まれていました。

あとで聞いたところ、2年、または、3年をかけ熟成した八丁味噌を出荷したあとの樽は、重機で運ばれ洗浄をし、外に干して乾かしてからまた、蔵に運び込まれ、仕込みが始まるそうです。

とてつもなく大きな樽たちが、まるで私が台所で洗ってから干しているかのように横たわってる姿を見て、圧巻としか言いようのない景色がありました。

そんな景色を見てから、蔵をおとづれます。

八丁味噌の産地である八帖地区には、通りを隔てて「まるや八丁味噌」さんと、「カクキュー八丁味噌」さんという蔵が並んでいます。

小倉ヒラクさんの「日本発酵紀行」という書によると、この2社は、お互いがライバルとしてではなく助け合って八丁味噌いう文化を長い年月の間繋いできたそうなのです。

「豆味噌」=「八丁味噌」という認識をしてきた私ですが、こちらの見学を通して、八丁味噌と呼べるのは正式には、八帖地区で作られてきたこちらの2社の製品だけだということを知りそちらもびっくり。

石積み

昨日の尾張の中定商店さんとは違う石の積み方がされていました。

お味噌も両地域を比べて見ると、八帖地域のお味噌の方が、水分が少なく硬めのもの。

それぞれの蔵や地方に伝わる文化の違いに驚きます。

こちらの味噌は、味噌玉を作って製麹した後、樽に詰めて、布を敷き、石を高く高く積み上げていくのが特徴です。

この石を「くずれないように積み上げていく」技術。

石の形、大きさ、角度を見定め、積み上げる途中に空いた小さな隙間は小さめの石で埋めていかねば、味噌が発酵し盛り上がった際に、崩れてきてしまうそうです。

想像が及ばないほどの、ちえ知技術が詰まった作業に娘と共に驚きます。

この蔵ではたった二人の石積み師さんが、石を手渡す他の職人さんの手を借りつつ、一つの樽につき、4時間ほどかけて、3トンもの石を積み上げていくそうです。

そうして、2年、もしくは、3年という月日を寝かせ、発酵熟成されていくそうです。

時代と共にステンレスの樽で仕込むことも増えた蔵が増えたそうですが、一つ一つの樽を丁寧に管理しながら作り上げていく引き継がれた技術に圧巻。

そんな話を直で聞きながら、先人が繋いできた知恵を知り、目に見えない部分を想像できるようになる力がついてくるのだと思います。

実際に作られている場に行ってみるということの意味。

「五感を使いながら触れていくこと。」

目で見て匂いを嗅いで味わって、心震えさせる。

五感を使いながら感じていくことで学んでいける機会を増やしたいなと思っています。

授業で学んだとはいえ、現実の暮らしではやはり食材たちは自分の知らぬ場所で育ち、近くのスーパーに届きます。

日々の暮らしがそうである以上、子どもたちにとって、見えない部分を想像することは現実には容易ではないのが今の暮らしだと思うのです。

何度もそういう背景に触れ、想像する習慣がついてくることが大事なのではないかと感じています。

写真を見ただけでは、見ただけのものしか想像できないけれど、匂いを嗅ぎ、全体を見てみたらたくさんの疑問と興味が湧いてきます。

そこからの学びはとても楽しくなります。

そんな学びを得た今日の蔵巡り。

五感をフルに使って暮らしの知恵を学ぶ。

夕飯は味噌煮込みうどんをいただきました。

タンパク質がおおい大豆で仕込まれたあっさりして八丁味噌は、苦手な人が多いけれど、この文化の中にいた先人たちが、美味しく使う術を見出してきてくれています。

目で見て驚き、香りを嗅ぎ、火を通した後の変化を感じ、下で味わい、美味しいと嬉しい気持ちになる。

私たちに与えられた豊かさをこうして子どもたちに伝えていけたらいいなとふと思います。

人の目に左右されず、素直な身体の反応を大切にする。

そこに自分の優しさを意識していったら飾らなくてもいいのだと思います。

タイの村で出会った無邪気で優しい人たちのように。

夕飯は豆味噌で作った味噌煮込みうどん。

文化の中にどう根付いているか、こうして五感を使って感じています。

日々の中の学びをどう見つけていくかが大事だよ。

そう、子どもたちに伝えながら一番にそれを伝え続けてるのは自分に対してなのだろうなと思います。

最後に。

私が子供の頃、五平餅というおやつを食べたことがあります。

うるち米を潰して棒につけ、お味噌を塗って炭で焼いて食べるおやつ。

おやつでもあり、ご飯でもあるのが昔の食べ物によくある特徴ですよね。

こちらも時代の変化で、なくなりつつあるところを、今、存続に向けて町おこしをしているという記事を見つけました。

おやつ=捕食(食事を補うもの、そして時に気持ちを緩めるもの)

古き良き文化だと思ったので追記しておきます(^-^)

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