蔵巡りの旅、5日目に突入しました。
沖縄のお味噌を知る。
沖縄につき、まず学びにいくのはお味噌のこと。
九州は麦味噌文化なので、沖縄はどうなのだろうと疑問があったのです。
九州地域は昔は米が豊富に採れる土地柄ではなかったため、麦麹と米麹を混ぜて、麦味噌が作られていた流れで、いまも麦味噌がよく食されています。
沖縄も麦味噌系の甘い味噌の文化かと想像していったら、これまた島によっても地域性のあるお味噌たちでびっくりしました。
そして今の時代は、どの地域でも使いやすい米味噌を使用するおうちが上増えているそうです。
沖縄で使われているお味噌をリサーチ
さてさて、那覇の方に玉那覇味噌さんという味噌蔵がひとつあります。
沖縄で古くからある蔵だそうで、160年ほど経つそう。今回も玉那覇さんにも出かけたので、そちらの蔵のお話はまた後日。
今回は商店街の中にある、おばあちゃんがやってらっしゃるお味噌屋さんを探しながら、娘と商店街の中を歩きます。
地元のお野菜やお魚を見ながらローカルに触れつつ歩きます。
もう初雪を終えた北国から来たので、昼間が半袖で過ごせることに驚きの娘。
南北に長い日本の風土の違いを肌で感じ興味津々だったようです。
ホッとするあたたかさの中を歩いて見つけたお味噌屋さん。
小さなお味噌屋さんなのに、たくさんの種類のお味噌があることにまずびっくり。
たくさんの島がある場所だからこその光景に、娘となるほどーって頷きます。
九州から海を渡ってきた、麦味噌こし、麦味噌粒、白味噌、合わせ味噌。
宮古島の麦味噌。沖縄の琉球料理に使われる白味噌に似た「いなむどうち」味噌。
久米島味噌もあります。
お味噌汁や炒め物に使うものや、油味噌用のお味噌も。
油味噌用のお味噌には鰹節やお砂糖、もち米が入っていて、お味噌自体で食感が楽しめるようなもので、塩煮のピーナッツと絡めても美味しいとおばあちゃんがおしえてくれました。
何日か通えそうなので少しずつ試させてもらうことに。
ラップでつつんだものをチラシで包んで持たせてくれました。
油味噌の作り方も聞いて帰ります。
ゲストハウスに戻ってから、タッパーにいれて、持ち運べるように。
ここでのお味噌汁はこのお味噌を使って作ります。
少し長い旅なのでなるべく自炊をするようにしています。
お味噌汁は簡単にお味噌と現地調達の乾物を合わせて作ると手軽で美味しい。その時の気分に合わせて娘と私、それぞれ好きな味のお味噌を作ります。
暮らすように旅をすることで子どもにも、「生きる知恵」をつけてほしいと願いながら旅をしています。
バックパック一つの中に、自分が本当に必要なものを入れて歩く。
その必要なものを見極める力は、こうした経験を積み重ねていくことでついていくと思うので、いつも外食に頼る暮らしにならないように気をつけています。
発酵食、保存食、そして郷土料理。。。
私が発酵食に興味を持ったのは、我が家に冷蔵庫がないというのが大きな理由です。
冷蔵庫がない我が家にとって、発酵食、保存食は生命線なんです。
一年の半分は雪に閉ざされる北国で、冬の食物をキープするには発酵させるか、上手に保存するしかなくて、この「保存する」という事がまた難しい。
そこらへんに転がしておくと一日家を開けただけで凍ってしまうのです。
北国で冷蔵庫は凍らせないための優れた保存方法の一つでもあります。
常温で保存できれば日持ちもしますが、凍っては溶けたものは、腐り始めてしまいますから。
そのために漬物を作るんです。
塩漬けにしておけば、凍るのも時間がかかりますし、氷点下まで落ち、凍ってもしまっても簡単には腐りません。
発酵である麹は、この漬物を美味しくするために力を貸してくれます。
そしてお醤油やお味噌は、秋のうちに収穫したお米や大豆、むぎなどを、加工して保存する知恵でもあります。
そんなことを経由し、発酵食、保存食から郷土食にも興味を持った私は、娘と沖縄の郷土食も探り始めます。
沖縄はどうやら汁物の文化。
それを知るためにまずは市場の中にある定食屋さんへ。
娘は沖縄そばを、私は、イカ墨汁を頼みます。
沖縄そばは丁寧に鰹出汁がひかれていて、この土地に伝わる鰹の使い方に興味がそそられます。
元々は長寿県、沖縄。このお出汁にもそのルーツがありそうです。お出汁が好きな娘、この優しい香りに引き寄せられて様子。
イカ墨汁は、解毒作用がたかく、産後の回復にも効果があると言われているそうで、野草の一つであるニガナと一緒に煮る汁物。ニガナがイカの消化も助けてくれるのでしょうね。
ちなみにこちらは子どもには強烈な印象だったようで、「なんでそんなもの食べてるのー?歯が真っ黒だよー。」と、ずーっとケラケラ笑っていました。
そしてこんなものもあります。
「フーチバーと田芋のボロボロジューシー」。
食べかけではありません。市場で売っていたおかゆさんをテイクアウトしたそのままの写真ですよー、笑。
フーチバー=ヨモギ
田芋=タロイモ
ボロボロ=柔らかい
ジューシー=ご飯
ヨモギとが入ったおじやがお袋料理だったんですね。
今回はタロイモと白菜も入っていました。
ここでは今でもヨモギが日常に使われてるんですね。
野草を使うことにも興味があったので、こんなふうにいただいたら蓬の筋っぽさややクセが和らいで食べやすくなるのでシェアしますね。
私が郷土食にあまりに興味を持つので娘も引っ張られ、あれなあに、これなあに?と聞いてきます。
わからないときは売ってるおばちゃんに聞きながら歩きます。
タイにいた頃、バナナの葉を使った料理を市場に行くとよく食べていました。
こちらは「カオニャオ サンカヤー」。
もち米の上にココナッツ味のプリンを乗せたもの。
こんなふうにバナナの葉でくるで小分けしたり、包んで蒸したり、焼いたり、実にいろんな使い方ができる優れものなのです。
そんな知恵を娘と一緒に探して歩きます。
先日、石川では「柿の葉餅」を
去年、熊笹で「笹だんご」を、
そしてここでは月桃の葉で包んだ「ムーチー」や「の饅頭」「ナントウー」をいただきました。
それぞれの葉の香りの違い(多分、県外の人にとって、月桃は好き嫌いが分かれるんじゃないかな。)はあるけれど、どれも殺菌効果があるからこうして利用されてきたんだよね、面白いね。ってそんな話を自然とできて楽しかったです。
タイの山岳地帯に暮らした経験もあり、自然物を利用した暮らしを長いこと経験してきているので、私たちにとっては、野草も葉っぱの利用もとても身近な興味のある話題なんですよね。
こうして現代でも使われてる様子に触れて、味わってみることが、これを使って暮らしていた時代を想像するヒントになります。そんなことも生き抜く知恵を知っていくための、大きな学びと一つだと捉えています。
伝統的な暮らしの中にある知恵を引き継いでいくこと。
親子で学びながら旅をしてるものの、暮らしの知恵の中に隠れた文化に気付いては立ち止まってしまう私に付き合ってくれた部分も大きい今回の旅。
あまりに歩くので娘はちょっと疲れたでしょう。
一緒に動いては、色々とディスカスしてくれて、ありがとうという気持ちとともに、こうして一緒に見て動いて味わったから、浸透していくものもあったと思うので今日も実りある一日だったろうと思います。
お疲れさま。
その土地の人と関わり、暮らしを見ながら、人の優しさや知恵を学ぶ場せていただいています。
南の島の人たちはフワッとゆるっと温かい。
この地域のそんな特性も感じさせてもらいながら、今日も一日が終わります。さあ、今日も昨日と同じゲストハウスへ。
夕飯の食材を買って、キッチンで簡単に作ってゆっくり休もう。
今日もお付き合いいただきありがとうございました🙏😆