コロナが始まり、やってみたこと。「歩く力は生きる力」

コロナが始まった年の夏。

ソーシャルディスタンスなどが始まり、人の中に出ていくことに制限がかかり始め、山で暮らしている私たちは、街に出ることをやめ、畑をしたり、山に入ったりの日々が始まりました。

家族で暮らしを作っているので、今度はとことん暮らしを作っていくことに忙しくなっていたのですが、ある日、子どもたちが「旅をしたいなあ。」と呟いていました。

「旅かあー。今、何ができるかな?」

なんとなく、そんなことを考えていた私ですが、ふっと、歩いて旅をすることをおもいたったのです。

歩く力は生きる力

山に暮らすようになった私が、気づいたことがあります。

歩く力は生きる力です。

歩くことができれば、自分の力で色々なところへ出かけることができます。

そして、歩くことで、下半身の血流が良くなり、身体が温まっていきます。

そして、歩くスピードで移動をすることの中にも大切なことが含まれています。

匂い、音、彩りなどを見ることができます。

季節を感じられ、景色の移り変わりをじっくり見ることができるんです。

(木のみ好きな娘は見分けるのが上手。これもこの時期だけ。山のめぐみはすぐに旬がすぎていきます。くわのみを見つけては立ち止まって頬張ってました。)

(秋、毎日刻一刻と色を変えます。)

山に住んでおりますが、私はハンドルをにぎれません。。

ここに来るまでは、不便かな、って思っていましたが、ここで暮らし始めたら腹がきまり、「歩く」ということを覚えました。(タイにいた頃もですが。)

(タイの山岳地帯にて。焚き付け用の葉っぱを娘と集めています。みんなで暮らしの仕事に参加する日々がありました。)

一日に10キロを歩くこともあり、正直疲れることもありますが、歩くことの中にある魔法を知っているので、できる限り歩きたいと今でも思っています。

歩くことの効能

ただただ歩くだけで、悶々とした気持ちも、イライラした気持ちも消化していけるんですよね。

血流が良くなり、滞った気持ちもスッと通るようになる。

身体を動かすことの効能だと思います。

そして、瞑想のようなじかんもおとづれます。車のように配慮もいらないのでただただそこに没頭することで、しばらく抱えていた思考も整理されていきます。

これらは全て私の個人的な体感ですが、歩く事が好きになりました。

今はだいぶおおきくなりましたが、娘は山を歩いていると、木のみを拾い、リスを見つけて追いかけて、雪山に足をツッコんではまって出れなくなったり、笑、沢山の「今の楽しみ」を見つけていました。

大人の足で1時間の道のりを2時間半くらいかけて降りていたほど。

(除雪車ごっこをしながら山を降りる娘。子どもたちの体力に圧巻の私です。)

今でも1時間半はかかります。

お天気が良ければ道端にかなチョロが日向ぼっこしてるのを眺め、こくわを見つけたら石をぶつけてみておちてくるかどうじゃをしらべ、熟し具合を確かめる。

今しか味わえない時間をしっかり味わっているんですね。

そんな姿を見て、私も「今を楽しむ」感覚を育ててもらってように思います。目的地を見つけて山を降りていましたが、いつの頃からか、目的地につければラッキーと思いながら娘と山を降りるようになったんですね。

街で育った私にとって、見えてこなかった沢山のものが見えてくるようになりました。

自然の中の神秘を発見した時のなんとも言えない気持ち。

ただただ「わあ、すごい!」とワクワクするんです。

(吹雪いた次の日、山に出てみる。そして娘と一緒に想像を絶するその景色に息を呑む。)

 

山を降りるだけで、旅をしているかのようなワクワクと出会えることを知りました。

歩いて旅をしてみたよ。

次は歩いて旅をしようと思い立ちました。

バックパックをもってキャンプ場を巡ったんですよ。

私のバックパックに山用の1人用テント、一口コンロを入れて娘と息子、私の3人で。

(それぞれに大事なものは自分で持つ。自分の力を信じて歩く日々。)

最寄りの駅までは列車を使いました。

そこから12キロほどを歩きました。10キロ近い荷物を持って歩く道のり。途中で直売所に寄ったり、農道の隅っこで、おむすびを広げたり。

こんなところを大きなバックパックを持って歩いているものですから、農家さんが声をかけてくれて、応援してくれたりします。

(この日の目的地のキャンプ場までわざわざ手作りのおかずを届けてくださったりなんてことも😂)

初めは楽しさばかりで歩いていたものの、現実の厳しさも知ることになります。

延々と続く農道は、曲がり角を1キロ間違えたら、1キロ引き返さなくてはなりません。

初めて向かうキャンプ場なので、午後3時を目安に向かって歩きます。

3時をすぎて道を間違えたりしていたら、日が落ちてしまう。

(午後3時間近。目的地が見つからず、ケータイも充電が切れて、3人で途方に暮れた時、笑。最終手段だけを決めて、もうしばらく目的地を探すことになりましたが、奇跡的に発見しましたー。)

真っ暗になった農道を「徒歩で」歩くのは厳しいし、北海道では、場合によっては熊に会う可能性もあります。

ここで引き返すか、この道を信じて進むか、いつも3人での話し合いがありました。

そうして、どうにか3時にはキャンプ場に入る、そんな旅をしてきました。

歩いた距離は一夏で200キロ近く。

変なことをしてる私たち(笑)に大笑いしながら、褒めたり、応援したりしてくださるローカルの方々と沢山出会いました。

ここに記録すると長くなりそうなのでまた日を変えて記録しようと思います。

歩く力をつけて得たこと。

タイの山岳地帯でも感じましたが、自分でどれくらいの距離を歩く事ができるかを知っていることは、大きな安心感につながります。

それから車社会の中で忘れ去られた、歩くことの大切さも知る事ができます。

タイの山岳地帯で自給しながら暮らしてきた山岳地帯の人と一年という時間を過ごし、人がどれだけ動いてきたのかを目の当たりにしておどろきました。

私たちも自給的な暮らしをしているけれど、労働量は全く違います。

(家の床と屋根を作るために竹を切りに山へ入りました。アリに噛まれるので完全防備の村人と同じスタイルで、笑)

だからせめて歩きたいと思う。

歩くことで身体に血液が巡り、冷えが改善し、その時間で自分一人で静かに考えたり、感じたりすることができる。

そして、人の中で気遣いをした疲れとは違って、身体がすっかりと疲れて家に帰ることで、夜はぐっすりと眠れるようになる。

そんなことを学んだ旅の様子を次から書いてみようと思います😌

(娘2歳3ヶ月、息子6歳。山岳地帯ではいつも歩いていどうでした。街まで10キロ、ジャングルに野菜を探しに行くために歩き、共同のキッチンに行くにも山道を歩きます。)

(歩いて歩いてどこまでも。竹と綱引き♪この頃から培ってきた体力が生きてるなと近頃思います。)

 

 

 

 

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