■目次
1. 旅を通して「生き抜く力」を身につけよう
学校教育の基本となっている、文部科学省が定める学習指導要領では、「生きる力」をはぐくむことが強調されています。
学校で学んだことが,子供たちの「生きる力」となって,明日に,そしてその先の人生につながってほしい。
文部科学省 学習指導要領ホームページより
これからの社会が,どんなに変化して予測困難な時代になっても,自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,判断して行動し,それぞれに思い描く幸せを実現してほしい。
そして,明るい未来を,共に創っていきたい。
2020年度から始まる新しい「学習指導要領」には,そうした願いが込められています。
確かにその通り、予測困難な変化の激しいこの時代であっても、自ら考え、判断して行動し、幸せを実現することが求められるのは、間違いないと思います。
でも現実的には、学校教育だけでそのような力が身につけられるでしょうか。
実際の学校教育や社会生活では、「自ら考え」るよりも、周りに合わせ、空気を読む力が育まれます。
みんなと同じように「普通に」「常識的に」行動することがよしとされるため、「自ら考え」る力はなかなか身につかないと感じている人が多いのではないでしょうか。
ぼくはこの「生きる力」に対して、これから必要なのは「生き抜く力」だと考えています。
2.「生き抜く力」とは?
ぼくは「生き抜く力」を、 このように考えています。
こういった「生き抜く力」を、旅を通して身につけようというのが、「旅するフリースクール」の基本的な考えです。
海外での旅を通して、なぜこのような力が身につくのか、例を挙げて見てみましょう。
3. 旅で身につく「生き抜く力」
3-1. ピンチに対応する力
海外の旅では、トラブルのない方が珍しいぐらい、頻繁にトラブルに遭遇します。
例えばタイで、次の目的地に行くのにバスを待っていましたが、数時間待ってもバスが来ないことがありました。
これはおかしいと思い、周りの人に聞きたいのですが、田舎町のため、タイ語しか通じません。
普段、見知らぬ人に話しかけるのが苦手なぼくでしたが、さすがに子どもを連れて野宿をするわけにはいかず、勇気を出して現地の人に話しかけました。
身振り手振りを交えながら、何とかコミュニケーションをとってわかったのが、その日はバスが来ない日であり、移動するならヒッチハイクしかない、とのこと。
ヒッチハイクをすることも苦手でできればやりたくありませんが、このまま日没を迎えれば、子連れでの野宿が確定します。
ですからこれまた苦手などと言ってる場合ではなく、勇気を出して必死の思いでヒッチハイクをし、何とか次の目的地に到着、無事にホテルにたどり着きました。
3-2. 今ある幸せを感じられる力
ぼくたち一家が滞在させてもらったある場所は、電気・ガス・水道の公共のライフラインがありません。
水道は、山の湧き水を、2キロほど自分たちで配管して引っ張ってきたものです。
乾季で水源の水が涸れる、配管がネズミにかじられて破損するなど、たびたび断水に見舞われ、そのたびに山に入ってトラブルに対応していました。
ガスもないので、火を使うためには、常に山から薪を拾い集めて、ストックしておかなくてはいけません。
電気も限られた太陽光発電を使って最低限必要な照明などだけをまかなう生活でした。
日本では、どうしてか、普通に暮らしていても様々な不安がつきまとっています。
しかし、こうした経験をして帰国すると、電気・ガス・水道のある日本の当たり前の暮らしが、いかにありがたいことかが分かり、ただ普通に生きているだけで幸せを感じられるようになります。
すると、以前は感じていた様々な不安を感じることが少なくなり、ただ生きていることを感謝できる、そして何があっても動じない力が身につきます。
3-3. 「他人軸」でなく、「自分軸」で考える力
日本では何かが起こると、「みんなはどうするかなぁ」、「普通はどうするだろう」、「こうするのが常識的だよね」といった判断で行動を決めることが多いと思います。
これは、「他人軸」で判断をするということであり、どうしても受け身になってしまいます。
でも海外では、「What’s your idea? (あなたはどう思うの?)」と意見を求められることも多く、ときには激しい議論も起こります。
こうした環境にいると、「自分は本当はどうしたいのか」と、「自分軸」で考える習慣がつきます。
そうすると日本に戻っても、周りの意見やインターネットの情報に右往左往することなく、自らの意思で適切な判断をして行動をとることができるようになります。
4.「生き抜く力」というたくましさ
上に挙げたのは、ほんの一例ですが、このように海外という日本と全く異なる環境に身を置くと、日々起こるいろいろな出来事を通して、こうした「生き抜く力」を手に入れることができます。
こうした経験を通して帰国すると、それまで不安だらけだった日本での暮らしが、
「今まで、どうして自分に対して足かせ(常識)をつけて生きてたのだろう?」
といったように、快適で軽いものに変化します。
こういった変化は、大人よりも子どもの方が早く現れます。
大人の方が、長い時間をかけて自分の常識を作り上げているのに対し、子どもはまだ柔軟な思考が残っていて適応力が高いためです。
ですから子どもを連れて、早いうちに一度(だけでなく複数回でも)海外に行きましょう。
そしてこの「生き抜く力」を子どもと一緒に身につけ、その後の人生を自分軸で、幸せに生きられるようになりましょう。
ぼくたち親が、子どもに身につけてほしい力って、こうした「生き抜く力」ではないでしょうか。
さあ、子どもと一緒に海外へ行って、「生き抜く力」を身につけましょう!
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・ピンチに対応する力
・今ある幸せを感じられる力
・「他人軸」ではなく、「自分軸」で考える力