1. ファームステイって何?
ファームステイとは、農家さんの営む宿に滞在することです。
細かなルールや滞在のスタイルは、運営しているオーナーさんの考えによって様々です。
ぼくたち家族が滞在させてもらったファームは、宿と3食を格安(一人一泊あたり1,000円弱!)で提供してもらうかわりに、昼間の6時間〜8時間程度、ファームの仕事(暮らし)を手伝うスタイルでした。
海外に来るという旅をしているのだけど、そこで過ごす時間は、現地での日常の暮らし。
まさに、「暮らすように旅する」という言葉がピッタリのスタイルです。
旅するフリースクールでは、このようなファームステイという旅のスタイルをオススメしているのですが、ここで、ファームステイを経験したある少年を紹介します。
2. ファームステイで長期滞在した少年Yの物語
4月に小学校に入学して一ヶ月ほど経った少年Y。
彼は学校に楽しさを見出すことなく、5月の連休明けから学校に行かなくなった。
だけど家にいても、何か楽しいことがあるわけではなく、
「あーあ、つまんないな。」
ため息をつくYに対して両親は、「だったら学校に行きな!」と言うことも。
そんな中、学校行かずに時間があるならばと、Yの家族はタイでのファームステイをすることにした。
そのファームは、山を切り拓いて作ったファーム。
木と竹とわらで手作りした簡素な宿で、蚊帳の中に寝るスタイル。
これまで過ごしてきた日本とは全く異なる大自然の環境に、Yの心は踊った。
しかし翌日、いきなり大自然の洗礼を浴びる。
裸足で歩いていたYの足の指に、木のトゲが刺さってしまった。
なかなかトゲが抜けずに号泣するY。
一緒に滞在していた別のやさしいロシア人が、トゲ抜きを持っているからとってあげると言ってくれた。
でも、初めて間近で接する体の大きなロシア人に恐れを抱いてしまってトゲを抜いてもらうことができず、トゲが刺さったまま泣きながら一晩を過ごした。(トゲは翌朝、抜くことができた)
そんなYだったが、やさしいファームのオーナーさんに、少しずつそこの暮らしを教わっていく。
ゆっくりとした英語で
「ニワトリが卵を産んでいるはずだから、とってきてくれるかい?」
Yは言葉を理解して、とってきた卵をオーナーさんに渡すと、
「Thank you, Y !!」
このやりとりが嬉しくて、Yは他にも畑の水撒きなど、少しずつファームの仕事を手伝うようになった。
暮らしを手伝うと、みんなが喜んでくれる、暮らしはみんなで作っていくもの。
そうした感覚をYは少しずつ身につけていった。
オーナーさん、滞在者と一緒に、一日に三度の食事をみんなで囲む中で、次第に人種の異なる外国人にも抵抗感がなくなり、みんなと歌ったり遊んだりする中で、どんどん心を開いていった。
言葉が通じないはずなのに、ほかの滞在者と長時間遊んで帰ってこないことも。
ある日、みんなが忙しく食事作りをするキッチンにいたYは、野菜を切ってくれないかと頼まれた。
手際のよくないYの包丁さばきを、急かすことなく待ってくれるオーナーさんや滞在者のおかげで、料理の楽しさを知ったY。
次第にキッチンに行って手伝いをするようになり、ついに自分でおかずを一品作ることに成功した。
すると滞在者はみんな、
「これ、Yが作ったのかい!? とってもGoodだよ!」
と褒めてくれる。
この喜びを知って、3日連続同じおかずを作ったY。
そして楽しそうに料理をする兄を見て、4つ下の妹Kも、Yの手伝いをするようになる。
二人で失敗を重ねながらも、自由な雰囲気の中で料理を作ることが二人の日課になった。
こうしてYとKの兄妹は、小学生と幼稚園という年齢にも関わらず、帰国した今ではたびたび家族のご飯や自分たちのおやつを手作りしている。
3. ファームステイで得られるもの
ファームステイは、基本的には農家さんでの滞在であるため、土に触れる、育てた野菜と山から集めた薪を使って料理を作る、自分たちの住む家を手作りするなど、日々の暮らしを手作りする機会がたくさんあります。
また、自分たち以外の様々な文化を持った国の人たちと接することで、日本以外の様々な文化や考え方を知ることもできます。
このような環境に長期間身を置くと、こんな変化が起きてきます。
このように、海外でのファームステイを経験することで、その後の人生を「生き抜く力」が確実に身につきます。
旅するフリースクールでは、こうした家族でファームステイができる場所を、メルマガ読者のみなさんと世界中に開拓していきたいと考えています。
一緒にそういった場所を開拓したい、こんなファームを知ってるよ、面白そう、興味ある、仲間になってみたい、と思っていただけた方は、まずはメルマガにご登録ください。
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・暮らしを手作りする経験をすることで、お金に対する不安が小さくなる
・だから何をしても生きていけるという感覚が、体感として得られる
・必ずしも学校に行かなくても、生きていけるという自信が身につく
・やりたいことを思うようにやっていいという許可を、自分に出すことができる